4. 大坂湾港湾計画の基本構想
環境への意識の変革期に策定が進められた「大阪湾港湾計画の基本構想」が、1995年に発表されている2)。ここでも、大阪湾の環境保全・創造に対する取り組みについて、深く言及している。
4−1.「大交流時代を支える安全で活力ある大阪湾」
−折しい大阪湾港湾計画の基本構想−の概要
大阪湾は、大阪湾地域の発展空間として有限な空間であると共に、海運、水産業、レクリエーション活動などの多様な利用が行われる貴重な空間である。「大阪湾港湾計画の基本構想」は、湾内の港湾を広域港湾として一体的に捉え、また大阪湾地域の諸課題に取組むため、各港湾の秩序ある発展(開発・利用・保全)を実現するための基本方針として、時代の節目ごとに見直し策定してきた。
既述の長期港湾政策、港湾環境政策のほか、21世紀初頭における大阪湾全体のあるべき姿を示した「オーバルビジョン2025」(大阪湾長期構想懇談会提言:1991年)などを踏まえ、「大交流時代を支える安全で活力ある大阪湾」として、1995年11月、新しい大阪湾港湾計画の基本構想を策定した。
基本構想では、アジア諸国との産業の国際分業化の進展など、社会・経済環境の大きな潮流の変化に対応しつつ、大阪湾内の各港湾の連携を強化し、臨海部空間の積極的活用や再編などにより、安全で活力ある新たな発展
を目指した地域を形成することを目的として、概ね2010年を目標年次としている。
「大交流時代を迎えて、大阪湾はその地域特性を活かしつつ、現在置かれている状況からどのようにして新しい時代を切り妬いて行くか。」という視点から、大阪湾地域の新たな展開の方向として、
?世界に開かれた大阪湾
?活き活きとした経済活動が展開する臨海部
?人と自然の共生するアメニティ豊かな大阪湾
?自然災害に対し粘り強い空間
の4つの将来像を示した。そして、この実現のための港湾整備の基本方針として
?大交流時代を支える交易・交流拠点の形成
?活力を支え、賑わいのある空間の形成
?次代に引き継ぐ、豊かで美しい環境の創造
?災害に強く、安全で安心できる空間の形成
を掲げ、それぞれの主要施策に言及している。
次節で環境保全・創造に関する内容に言及する。
4−2.「人と自然の共生するアメニティ量かな大阪湾」
将来像として掲げた「人と自然の共生するアメニティ豊かな大阪湾」は、大きく2つの背景を持つものである。
内陸からの流入負荷の影響を受けやすく閉鎖性海域である大阪湾に対して、流入負荷の削減や海域環境の改善のための各種施策が進められている。しかし顕著な効果
Fig−4.Image of "Basic Concept for Osaka Bay Development Plan"
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